再エネ電力の調達方法を徹底比較!一覧表で自社に最適な方法がわかる
再エネ電力の調達方法が多様化し、自社の課題や状況に適した調達方法を見極める重要性が高まっています。この記事では、6つの主要な再エネ電力の調達方法を一覧表で比較し、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
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なぜ今、再エネ電力調達の「選び方」が重要なのか?
企業活動によるCO2排出量を削減するにあたって、企業が抱える課題や置かれた状況はさまざまです。そもそも、CO2削減にこれから着手する企業もあれば、すでに取り組みが進んでいる企業もあるでしょう。特定の方法があらゆる企業に当てはまるとは限りません。
近年、再エネ電力の調達方法は増えており、それぞれ異なる特徴を持っています。自社の課題や状況に合わない再エネ電力の調達方法を選んでしまうと、かえって手間やコストが増大する可能性もあるでしょう。自社に適した再エネ電力の調達方法を見極めるには、それぞれの方法のメリット・デメリットを正しく把握し、比較することが重要です。
再エネ電力調達方法の比較一覧表
現在、再エネ電力の主要な調達方法としては、自家消費、オンサイトPPA、オフサイトPPA、バーチャルPPA、再エネ電力メニュー、環境価値調達が挙げられます。最適な方法は、まとまった初期投資の可否、設備の設置スペース有無、必要な電力量、契約期間、追加性の重視度などによって異なります。
| 自家消費 | オンサイトPPA | オフサイトPPA | バーチャルPPA | 再エネ電力メニュー | 環境価値調達 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 再エネ発電設備を自社で導入し、発電した電気を自家消費 | 自社の敷地内にPPA事業者が再エネ発電設備を設置し、再エネ電力を調達 | 自社の敷地外にPPA事業者が再エネ発電設備を設置し、再エネ電力を調達 | 自社の敷地外の再エネ発電設備から環境価値のみを長期にわたって調達 | 電力会社の再エネ電力メニューに切り替え | 非化石証書やグリーン電力証書、Jクレジットなどを自社で調達 |
| 調達対象 | 主に太陽光 | 主に太陽光 | 太陽光、風力、バイオマス、水力、その他 | 太陽光、風力、バイオマス、水力、その他 | 太陽光、風力、バイオマス、水力、その他 | 太陽光、風力、バイオマス、水力、その他 |
| 調達可能量 | 設置可能容量まで | 設置可能容量まで | 発電所容量まで | 発電所容量まで | 自社の電力使用量100% | 自社の電力使用量100% |
| 初期投資 | 必要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 |
| リードタイム | 長い | 長い (発電所新設の場合) | 長い (発電所新設の場合) | 長い (発電所新設の場合) | 短い | 短い |
| 契約期間 | なし | 長期 | 長期 | 長期 | 短期〜長期 | 短期〜長期 |
| 導入難易度 | 高 | 高 | 中 | 中 | 低 | 低 |
| ランニングコスト | あり (メンテナンス費、保険料等) | なし | なし | なし | なし | なし |
| コスト予見性 | 高い (減価償却後は極めて低コストで使用可能) | 高い (契約期間中はサービス料を固定可能) | 高い (契約期間中はサービス料を固定可能) | 高い (契約期間中はサービス料を固定可能) | 低い (市場価格連動メニューの場合) | 低い |
| 追加性(※1) | あり | あり (発電所新設の場合) | あり (発電所新設の場合) | あり (発電所新設の場合) | なし (新設電源特定の場合はあり) | なし (新設電源特定の場合はあり) |
| RE100(※2)適合性 | 適合 | 条件付きで適合 (環境価値を自社取得、運転開始から15年以内の発電所の場合) | 条件付きで適合 (環境価値を自社取得、運転開始から15年以内の発電所の場合) | 条件付きで適合 (運転開始から15年以内の発電所の場合) | 条件付きで適合 (運転開始から15年以内の発電所の場合) | 条件付きで適合 (運転開始から15年以内の発電所の場合) |
| 向いている企業 | 自社の需要地内に発電設備の設置スペースがある企業 | 設置スペースはあるが初期投資をかけたくない企業 | 設置スペースがない企業や、電力多消費企業 | 現在の電力契約を変更したくない企業 | 再エネ調達を急いでいる企業 | 設備投資や電力契約の切り替えが難しい企業 |
- ※1追加性:世の中に新たな再エネ発電設備を増やすこと
- ※2RE100:事業活動で使用する電力を100%再エネ電力に切り替えることを目指す国際的な枠組み
自家消費
自社の需要地内に再エネ発電設備を自社で購入・設置し、発電した電気を自家消費する方法です。建物の屋上や駐車場などに太陽光発電設備を導入するケースが一般的です。発電設備は自社の所有であるため、初期投資はもちろん、メンテナンスや保険料などのランニングコストも発生しますが、減価償却後は極めて低コストの電気として利用することが可能です。
再エネ発電設備を新設するため追加性があり、CO2を排出しないという付加価値(環境価値)が自社に帰属するため、RE100に適合します。需要地内に再エネ発電設備を設置でき、初期投資がかかっても、長期的な視点でCO2削減に取り組みたいと考える企業におすすめの方法です。
オンサイトPPA
PPA事業者などが自社の敷地内に設置した再エネ発電設備から、再エネ電力を調達する方法です。発電した電気の使用量に応じて、PPA事業者にサービス料を支払います。PPA事業者が設備を設置・所有するため、初期投資やメンテナンス費などのランニングコストの負担はありません。PPA事業者との契約期間は15〜20年などの長期にわたるケースが多く、契約期間内はサービス料の単価を固定することもできるため、コストの見通しが立てやすくなります。
再エネ発電設備を新設する場合には追加性があり、環境価値が需要家に帰属する場合にはRE100に適合します。なお、こうした条件は、PPA事業者との契約によって異なります。需要地内に再エネ発電設備を設置できるスペースはあるものの、まとまった初期投資を確保しにくい企業などに適した方法です。
オフサイトPPA
PPA事業者などが自社の敷地外に設置した再エネ発電設備から、再エネ電力を調達する方法です。オンサイトPPAとは異なり、発電した電気は送配電網を介して供給されます。発電設備を需要地内に設置する必要がないため、太陽光だけでなく、風力発電など大規模な再エネ発電による電気を購入できる可能性が広がります。
自社の敷地内に再エネ発電設備を設置できるスペースがない場合や、電力使用量が多く、敷地内の再エネ発電設備だけでは十分な電気を調達できない場合などに適した方法です。
バーチャルPPA
自社の敷地外に設置された再エネ発電設備から、電気ではなく環境価値のみを長期にわたって調達する方法です。物理的な電気のやり取りが発生しないため、「バーチャル(仮想)」と呼ばれます。需要家は環境価値のみを購入するため、従来の電力契約を変更せず、実質再エネ電力を利用しているとみなすことができます。
新設の再エネ発電所におけるバーチャルPPAであれば追加性が認められます。RE100の要件を満たすには、運転開始から15年以内の再エネ発電所からの調達であることが求められます。現在の電力契約を変更せずに環境価値を調達したい需要家におすすめの方法です。
再エネ電力メニュー
小売電気事業者が提供している電力メニューであり、電力契約を切り替えるだけで再エネ電力を調達できる方法です。設備を導入する必要がないため、リードタイムが短く、初期投資やランニングコストも発生しないのが特徴です。また、契約期間も単年度更新など短期であることが一般的です。
一方で、RE100に適合させるには、運転開始から15年以内の再エネ発電所に由来する電気であることなどを証明する必要があります。電力契約の切り替えだけで良いため、再エネ電力調達のタイムリミットが迫っている企業などに適した方法です。
環境価値調達
再エネ電力が生み出す環境価値(再エネ発電が持つCO2を排出しない価値)を調達する方法です。環境価値を直接調達する方法には、主に非化石証書、グリーン電力証書、J-クレジットの3つがあります。主要な方法である非化石証書を調達するには、日本卸電力取引所内の非化石価値取引市場に会員登録するほか、仲介業者を通じて購入することもできます。
電力契約を切り替える必要はありませんが、再エネ電力メニューと同様に、RE100に適合させるには、運転開始から15年以内の再エネ発電所による環境価値であることを証明しなければなりません。設備投資や電力契約の切り替えが難しい場合に適した方法です。
調達方法の選択フロー

前述した通り、再エネ電力の調達方法にはそれぞれ特徴があり、自社に合った方法を見つけるのが難しいと感じている方もいるかもしれません。その際には、上図を参考に、設備投資を行うかどうかを判断基準の1つにしてみると、最適な方法を見つけやすくなるかもしれません。
国際的に重視される再エネ電力調達の「追加性」とは
追加性とは、再エネ電力の購入や発電設備への投資によって新たな再エネ発電設備を増やすことであり、CO2削減の国際基準であるGHGプロトコルや、国際イニシアチブのRE100などで重視されている考え方です。例えば、RE100では、加盟企業が調達する再エネ電力や環境価値は、運転開始から15年以内の再エネ発電設備に限定するという、いわゆる「15年ルール」が設けられています。
また、GHGプロトコルは2027年にガイダンスの改定を予定しており、企業が調達する証書が物理的に供給可能とみなされる電源から調達されていることを要求する条件を盛り込むことなどを検討しています。GHGプロトコルの改定案については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
再エネ電力調達には専門知識の豊富なパートナーが重要

再エネ電力の調達にあたっては、自社の課題や条件に適した方法を選ぶことはもちろん、国内・海外の関連するルール変更なども考慮することが大切です。特に、再エネ電力の調達をめぐるルールや制度は、見直しや変更が頻繁に行われるため、専門知識が求められます。再エネ電力の調達方法を選定する際には、こうした業界の動向に詳しいパートナーの存在が重要です。
ユーラスエナジーでは、太陽光発電事業や風力発電事業からコーポレートPPA事業や電力小売事業まで、再エネ電力を「つくる」「集める・整える」「届ける」といったトータルソリューションを展開しています。再エネ電力の調達方法でお困りの方は、ユーラスエナジーにお問い合わせください。



