当社は今から30年以上前に、トーメン（現 豊田通商株式会社）グループのエネルギー部門として誕生しました。私はその頃から在籍していますが、新入社員だった私も意見を言える環境があり、その案が事業化することもあるなど、自由な雰囲気がありました。それは現在も当社の社風として、社内に息づいているのではないでしょうか。

東京本社はフリーアドレス制なので、役員も管理職も一般社員も好きな場所で、机を並べて働いています。それも、自由に発言できる雰囲気を作っているのだと思います。一方で、アンケートなどでは優しい社員が多いという声があるのですが、ビジネスで甘えは許されません。その辺りのメリハリも、きちんとできる社員が多い気がしますね。

風力発電においては国内でもトップシェアを誇る当社ですが、同様に海外でも多くの実績を積み、さまざまな事業ポートフォリオを持っています。このビジネスはカントリーリスクや為替リスクに晒されやすく、一つの国だけで事業を展開するのは容易ではありません。世界各地でバランスよく事業を行っていることは、当社の強みですね。

これまでは事業の拡大に合わせ、その都度人材が足りない部門のスペシャリストを募ってきました。そうした経緯があるため、さまざまな専門性を備えた社員が多数在籍しているという点が強みだと思います。これから新卒として入社してくる方も、彼らと共に業務に携わることで、より早く成長できるのではないでしょうか。

風力発電は都市部から離れた場所に風車を建てるため、送電網の確保が課題でした。その設置で電気代が高くなっては意味がありません。そこで逆転の発想で、発電所の近くに需要地を用意するといったことも考えています。データセンターや工場などを誘致することで低価格な電気を提供し、地元にも貢献できることを目指しています。

そうやって発電所地域の交通インフラを整備していくことも考えられますね。当社はこれまで電気を作ることに注力してきましたが、それだけではこれからの時代に勝ち残ることはできないと考えています。今後は、作った電気をどのように有効活用していくかといった視点が必要になるはずです。

最近は異業種からの転職組も多いので、そうした経歴を活かした、再生可能エネルギーとさまざまな業界とのコラボレーションも考えたいですね。そしてゆくゆくは発電事業者から脱却し、総合エネルギーサービス会社を目指していきたい。風力発電で培った経験を基盤とし、これからの10年で新たなビジネスに挑戦していくつもりです。

日本の企業は生産性が低いとよく言われますが、世界と伍していくためには1＋1＝2ではなく、2乗、3乗にしていく必要があります。そのためにビジネスの面で新たなフェーズに入っていくことが重要だし、人事面においてもこれまで以上にしっかりとした育成制度を整えていくことが求められていると感じています。

当社がこれから新たなフェーズに入っていくのなら、これまで以上に知識や情報を持っていることが大前提となります。だから感度のいいアンテナを張り、そうして手に入れた情報を発信できる人を求めています。そして何より「クリーンエネルギーの普及・拡大を通じ、地球環境保全の一翼を担う」という理念に共鳴してくれる人がいいですね。

諏訪部社長は度々「一つの案件を進める中で、最低3回は壁を乗り越えることになる」と話しています。当社の業務は規模の大きさと同時にスパンの長さが特徴。タフさや忍耐強さも必要です。そしてさまざまなスペシャリストに囲まれながらも自分の意見をしっかりと言えるような、強い意志のある人が向いているのではないでしょうか。

私が仕事をする上での信条は、やりがいを持って働くことです。社員にも「ワクワクするような仕事をしていこうよ」と日頃から伝えています。それは仕事をする上での大きなモチベーションになるし、仕事を通して成長もできる。これから新たなビジネスにも積極的に取り組んでいく当社には、そんなワクワクする仕事が待っています。

先輩社員を刺激するような若い人に来てもらいたいと思っています。もともと当社はフラットな立場で意見を言える環境が整っていると思いますが、やはり若い人からの提言は大きな刺激になります。そうやって社内が活性化していくことは、これから必要不可欠。私たちをハッとさせてくれるような若い人たちに期待します。