釜石広域ウインドファームの風車翼損傷に関する調査結果と対策について

  • プロジェクト
2005.05.25

昨年1127日および本年223日に釜石広域ウインドファームにおいて延べ5基の風車のブレード(以下「翼」)が 折損・飛散するという事故が発生いたしました。当社は、風車メーカーおよび学識経験者にもご参加をいただいた 事故調査委員会を自主的に設置し、原因の究明と再発防止の対策について鋭意検討を行ってまいりました結果、このたび その原因等が判明いたしました。今後は、関係機関の指導を仰ぎながら対策を実施して、本年6月より順次復旧工事を開始し、 所要の試験・安全確認などを行い、本年11月中を目処に完了する予定です。当社は今後とも安全の確保を最優先に考え、 風力発電所の安全・安定運転に努めます。

事故の原因

破損した翼を調査した結果,落雷により翼内部の接着面に小さなき裂が生じた際に、当該破損翼の製作に使った接着剤の 脆性耐力()が十分ではなかったため、その後そのき裂が大きく拡大し、翼の折損・飛散に到ったことが判明した。 尚、今回の事故は強風が起因ではないと判断されている。
)脆性耐力: 材料にき裂が生じ、そこに外力を受けた場合に、そのき裂の拡大を材料自身が阻止しようとする抵抗の強さ。

対策

同様のメカニズムによる事故の再発防止を図るため、より破壊靱性の大きい接着剤で製造した翼に全数交換する。

参考

[発電所概要]

(場所)岩手県釜石市・遠野市および大槌町に亘る丘陵地(西サイト21基、東サイト22基)

(事業主)株式会社トーメンパワー釜石

(風車概要)三菱重工業製:MWT-1000A(破損翼は同社長崎造船所で製作)
 [定格出力:1000kW(1基:900kW)、ロータ直径:61.4m、タワー高さ:68m]